同業の修理店様から、水没して起動しなくなったiPhone SE(第2世代)の基板修理をご依頼いただきました。基板の腐食が広い範囲に進んでいたため、CPUなどのチップを正常な基板へ移す「CPU移行」を行い、データが残ったまま起動する状態に戻した事例です。
全国から郵送で受付中:iPhoneの電源が入らない・起動しない・データを取り出したい、といった基板修理を承っています。 相談・お申し込みの方法を見る ↓
ご依頼の内容
- 機種:iPhone SE(第2世代)
- 症状:水没させてしまい、起動しない
- 依頼元:同業の修理店様からの代行依頼
- 確認済みのこと:依頼元の修理店様で画面やバッテリーなどのパーツを交換しても改善しない
- ご要望:端末内に残っている大切なデータを取り出したい
分解と診断
端末を分解してメイン基板を取り出し、顕微鏡で基板全体を確認しました。基板全体にかなり腐食が進んでいて、水没の被害が広い範囲に及んでいました。



基板に直接電流を流して起動を試したところ、電流は10mA程度で止まってしまいました。基板の重要な回路が正常に動いていない状態です。さらに調べると、基板の表面だけでなく裏面にも腐食が及んでいました。

修理方針:CPU移行を選択
基板の下の層まで腐食が進んでいる場合、腐食した箇所をすべて直し、傷んだチップを一つずつ交換していくことも理屈の上では可能です。ただしこの方法では修理箇所がとても多くなり、確実性が下がるうえ、時間も大きくかかります。
そこで今回は、CPU移行(CPU移植)で復旧することにしました。元の基板から必要なチップを正常な基板へ移し、データを残したまま端末を起動させる方法です。
行った作業
移行先のCNC基板を用意

移行先には「CNC基板」を使います。CNC加工機で、チップを載せ替える箇所を精密に削り出して作る基板です。この基板に、故障した基板から必要なチップを移します。
一緒に移す必要があるチップ
iPhoneの基板には、次のような重要なチップが載っています。
- CPU:iPhoneの頭脳にあたる部分
- NAND:データが保存されているストレージ
- EEPROM(Logicチップ):CPUとNANDをひも付ける情報を保存している部分
この3つのチップはお互いにペアリングされていて、セキュリティ上の理由からほかのチップと入れ替えることができません。データを残したまま復旧するには、これらをすべて一緒に移す必要があります。

チップの取り外しとリボール

チップは熱や静電気に弱いため、温度管理に気を付けながら元の基板から取り外しました。取り外したチップは、もう一度取り付けられるようにリボール(はんだボールの作り直し)を行いました。
今回はCPU、NAND、EEPROMに加えて、通信に関わるベースバンドCPUとNFCチップも移しました。


修理結果
すべてのチップを移し終えて電源を入れたところ、端末は問題なく起動しました。データもすべて残っており、写真や連絡先、アプリのデータなども元どおり使える状態でお返しできました。
同じ症状でお困りの方へ
水没したiPhone SE(第2世代)は、基板の腐食が広がって起動しなくなることがあります。パーツ交換で直らず、基板の腐食がひどい場合でも、CPU移行でデータを取り出せることがあります。初期化や買い替えの前にご相談ください。
iPhone SE2 の基板修理・データ復旧の料金、ほかの事例、郵送でのご依頼方法は iPhone SE2 基板修理のページ にまとめています。
全国から郵送OK・ご来店(埼玉県熊谷市)も可
iPhoneの基板修理・データ復旧のご依頼
成功報酬型です。料金は iPhone基板修理の料金ページ をご覧ください。
- LINEで機種と症状をお送りください(ご相談・お見積りは無料)
- 修理依頼書を印刷・記入し、端末と一緒に元払いでお送りください
- 到着後に診断し、お見積りをご連絡します。ご了承後に修理し、原則3〜7日でご返却します(送料は往復ともお客様負担)
送り先:〒360-0813 埼玉県熊谷市円光1-3-4 Stock Repair 修理受付 宛(TEL 048-580-5039)