こんにちは、埼玉県熊谷市にあるiPhone修理専門店「ストックリペア」の技術者です。今回は、水没が原因で起動しなくなったiPhone SE2の基板修理事例をご紹介いたします。多くのお客様にとって、iPhoneには大切なデータが保存されており、起動しなくなった時の不安は計り知れません。この記事では、実際の修理工程を詳しく解説し、同様のトラブルでお困りの方に参考にしていただければと思います。
【症状確認】お客様からのご相談内容
今回ご相談いただいたのは、iPhone SE2が水没してから全く起動しなくなってしまったという事例です。お客様によると、「昨日まで普通に使えていたのに、水没してから画面が真っ黒で、電源ボタンを押しても充電器に繋いでも全く反応しない」とのことでした。
お話を詳しく伺うと、前日の夜にテーブルでコップの水を誤ってこぼしてしまい、その後すぐに電源を切って乾燥させたものの、翌朝から起動しなくなったとのことです。特に心配されていたのは、端末内部に保存されているデータが取り出せなくなってしまうことでした。
【初期診断】外観確認と分解前の準備
まず、端末の外観を詳しく確認いたします。iPhone SE2の各部分をチェックしたところ、充電ポート周辺に若干の水分の痕跡が見られました。また、電源ボタンや音量ボタンの反応も全くない状態で、完全に電気的な障害が発生していることが予想されました。

水没による故障の場合、時間が経過するほど腐食が進行し、修理が困難になる可能性があります。そのため、迅速な対応が重要です。お客様には修理内容と料金についてご説明し、同意をいただいてから作業を開始いたします。
【分解工程】メイン基板の取り出し
iPhone SE2の分解は、まず画面を開くことから始まります。慎重にディスプレイを本体から取り外します。水没している可能性が高いため、内部の各コネクタ部分も丁寧に確認しながら作業を進めます。

次に、バッテリーコネクタを外してから、メイン基板を固定しているネジを順番に取り外していきます。iPhone SE2は比較的分解しやすい構造ですが、水没している場合は内部に水分が残っている可能性があるため注意して確認していきます。
メイン基板を取り出すと、案の定、基板全体に水没の痕跡がはっきりと確認できました。
【顕微鏡による詳細調査】
取り出した基板を顕微鏡下で詳しく観察します。基板の各部品を確認したところ、複数の箇所で腐食が進行していることが判明しました。
顕微鏡による調査は、基板修理において最も重要な工程の一つです。肉眼では確認できない微細な損傷や腐食を発見することで、的確な修理方針を立てることができます。
水没判定のシールも赤色に変色していました。

【電気的診断】ショート箇所の特定
基板に直接電流を流して電気的な状態を確認します。テスターを使用して各回路の導通チェックを行ったところ、複数の箇所でショートが発生していることが判明しました。これは水分によって本来絶縁されているべき回路同士が導通してしまっている状態です。

ショートが発生している状態で電源を入れると、大電流が流れて基板の重要な部品が破損してしまう可能性があります。そのため、まずはショート箇所を特定し、原因となっている部品を交換する必要があります。

【サーモグラフィーカメラによる熱源調査】
漏電している箇所では熱が発生するため、サーモグラフィーカメラを使用して基板上の温度分布を調査します。この技術により、目視では確認できない故障箇所を特定することが可能です。
サーモグラフィー調査の結果、電源管理回路周辺の特定のコンデンサが異常に発熱していることが判明しました。この部品が水没による腐食でショートを起こしており、これが起動不良の主要な原因と特定できました。
【部品交換作業】故障コンデンサの修復
故障が特定されたコンデンサを交換します。まず、はんだ吸取器を使用して古いコンデンサを基板から取り外します。基板修理用の精密はんだごてを使用し、温度管理を徹底して作業を行います。過度な熱は他の部品にダメージを与える可能性があるためです。
新しいコンデンサを取り付ける前に、基板のランド(はんだ付け部分)をクリーニングし、腐食物質を完全に除去します。その後、新品のコンデンサを正確な位置に配置し、適切な温度で再はんだ付けを行います。
【動作確認】起動テスト
部品交換が完了したら、再度電気的な診断を行います。ショートが解消されていることを確認してから、基板を仮組み状態で起動テストを実施します。
電源を入れると、見事にAppleのロゴが表示され、正常に起動することを確認できました。iOS画面まで正常に立ち上がり、タッチ操作にも問題ありません。さらに重要なことは、お客様の大切なデータが全て無事に保たれていたことです。


【最終組み立てと動作確認】
起動確認後、全ての部品を元通りに組み立てます。組み立て工程では、各コネクタが確実に接続されているかを再度確認し、防水性能の回復にも配慮します。
最終的な動作確認では、カメラ、スピーカー、マイク、Wi-Fi、Bluetooth等、全ての機能が正常に動作することを確認いたします。バッテリーの充電機能や各種センサーの動作も問題ありません。
【データ復旧の重要性】
今回の修理で最も重要だったのは、お客様の大切なデータを完全に復旧できたことです。家族の写真、仕事のファイル、連絡先など、替えの効かない貴重なデータが全て無事でした。お客様には大変喜んでいただき、「諦めていたデータが戻って本当に良かった」とのお言葉をいただきました。
【郵送修理サービスのご案内】
当店ストックリペアでは、遠方のお客様にも対応できるよう郵送修理サービスを提供しております。全国どこからでも修理のご依頼が可能で、修理完了後は安全に梱包してお客様のもとへお送りいたします。
郵送修理の流れは、まずお電話またはメールでご相談いただき、症状や修理内容についてお打ち合わせします。その後、専用の梱包キットをお送りしますので、それを使用して端末を当店まで郵送していただくという流れです。
【まとめ】iPhone基板修理とデータ復旧への取り組み
iPhone修理において、特に基板レベルの故障は高度な技術と経験が必要です。当店では、最新の修理機器と豊富な経験を持つ技術者が、お客様の大切なデータを守りながら確実な修理を行っております。
水没や電源が入らないなどの重篤な故障でも、適切な診断と修理により復旧できる可能性があります。諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。お客様の大切なiPhoneとデータを、責任を持って修理いたします。
ラインで簡単問い合わせ!
最後に
iPhoneの起動不良や充電が出来ない、リンゴループになってしまった、
端末を水没してしまって電源が入らなくなってしまったなどお困りの場合は
当店にご相談下さい。
iPhone・iPadは急に電源がつかなくなってしまう場合が時としてあります
その場合でも端末内部の基板にはデータが残っていますのでデータはあきらめないでください。
当店にご相談頂ければデータ復旧可能です。
端末内部には大切な写真データやお仕事で利用しているものなどもあると思います、
直ぐに対応してもらいたい場合も柔軟に対応可能です。
全国のiPhone修理店でiPhoneの基板修理が対応可能なわけではありません、
ほとんどは基板修理を受け付けを行ってから修理のできる会社や店舗に依頼しています。
当店ではそのような依頼も受けています。数少ない基板修理対応の店舗です。
直接ご依頼いただける場合は優先的に対応しております。お急ぎの場合はまずご相談ください。
修理店様からの代行修理依頼可能です。
基板修理以外のiPad代行修理や任天堂switch修理、androidスマホ修理も対応可能です。
[対応機種]
iPhone・iPad・androidスマホ・任天堂Switch
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