こんにちは、埼玉県熊谷市でiPhone・iPad基板修理とデータ復旧を専門に行っているストックリペアです。今回は、突然起動しなくなったiPad Pro 12.9インチ第5世代の修理事例をご紹介します。基板修理の現場で実際に行った診断プロセスと修復方法について、技術者の視点から詳しく解説いたします。
修理依頼の経緯
お客様からご相談いただいたのは、「iPadが急に起動しなくなってしまった」というトラブルでした。症状をお聞きすると、最初は充電の反応が悪くなっていたものの、その後完全に電源が入らなくなってしまったとのことです。このような段階的な症状は、基板内部での問題を示唆しており、早急な診断が必要な状態でした。
iPadやiPhoneのデータ復旧において最も重要なのは、まず端末の起動を回復させることです。データが 保存されていても、基板が故障していては取り出すことができません。そのため、基板修理はデータ復旧の第一歩となる重要な工程なのです。
分解と初期診断
修理作業は端末の分解から始まります。iPad Pro 12.9インチ第5世代は、精密な構造をしており、分解には専用の工具と豊富な経験が必要です。液晶パネルを慎重に取り外し、バッテリーコネクタを切断した後、基板を取り出しました。
取り出した基板を顕微鏡下で詳細に観察したところ、外観上は明らかな損傷は確認できませんでした。しかし、基板修理において外観だけでは判断できない内部的な故障が多く存在するため、電気的な診断を進めることにしました。

電気的診断の実施
基板に電流を供給したところ、異常な電流の流れを検出しました。これは基板のどこかでショートが発生していることを意味します。iPhone基板修理やiPad基板修理において、ショート故障は比較的頻繁に遭遇する問題ですが、その特定には高度な技術と経験が必要です。

最初に疑ったのは、故障例の多いVDD_MAINラインでした。このラインは多くのiPadで問題を起こしやすい箇所として知られています。しかし、詳細な測定を行った結果、VDD_MAINラインに異常は発見されませんでした。
故障箇所の特定プロセス
電流測定の結果から、端末が起動する前の準備段階で故障が発生していることが判明しました。この段階での故障は、電源管理システムやクロック生成回路に問題がある可能性を示します。
故障箇所の特定には、まずサーモグラフィーカメラを使用しました。ショートしている箇所は通常、異常な発熱を示すためです。しかし、今回のケースでは熱による特定ができませんでした。これは故障の程度が軽微であるか、または間欠的な問題である可能性を示唆していました。
サーモグラフィーでの特定が困難な場合、次のステップはテスターを用いた抵抗値測定です。基板上の各ラインの抵抗値を一つずつ確認していく作業は、非常に時間と労力を要する工程です。特に最近のiPad機種では、基板上に多くのシールドが施されており、これらを慎重に除去しながら作業を進める必要があります。
PPVCC_HIGHライン故障の発見
詳細な測定作業を続けた結果、PPVCC_HIGHラインに異常があることを発見しました。このラインは電源管理において重要な役割を果たすラインの一つです。回路図を参照しながら、このラインに接続されている各コンポーネントを順次確認していきました。

最終的に、PPVCC_HIGHライン上のコンデンサがショートしていることが判明しました。コンデンサは電源の安定化や ノイズ除去において重要な役割を果たす部品ですが、過電圧や経年劣化により故障することがあります。

修復作業と動作確認
故障したコンデンサを特定した後、マイクロソルダリング技術を用いて新しいコンデンサに交換しました。この作業には高倍率の顕微鏡と精密なハンダ付け技術が不可欠です。部品のサイズが非常に小さく、周辺の部品を損傷させないよう細心の注意を払いながら作業を行いました。
修復完了後、基板に電源を供給したところ、正常な電流値を示すことを確認しました。その後、液晶パネルとバッテリーを接続し、端末の起動テストを実施しました。結果、iPadは正常に起動し、すべての機能が問題なく動作することを確認できました。


データ復旧の重要性
今回の修理では、基板修理により端末の起動を回復させることで、お客様の大切なデータをすべて保護することができました。写真、動画、文書、アプリデータなど、かけがえのないデータが完全な状態で復旧されました。
iPhoneデータ復旧やiPadデータ復旧において、基板修理は最も確実で安全な方法です。データ復旧ソフトウェアなどの方法では、既に故障した端末からデータを取り出すことは困難ですが、基板修理により端末自体を修復することで、データの完全性を保ったまま復旧が可能になります。
まとめ
今回のiPad Pro 12.9インチ第5世代の修理事例では、PPVCC_HIGHラインのコンデンサ故障が原因でした。このような故障は外観からでは判断できず、専門的な診断技術と豊富な経験が必要です。
ストックリペアでは、iPhone基板修理、iPad基板修理、そしてデータ復旧を専門として、お客様の大切なデータと端末の復旧に日々取り組んでおります。起動しない、充電できない、水没したなどのトラブルでお困りの際は、お気軽にご相談ください。熊谷市を中心に、埼玉県内外からのご依頼にも対応いたします。
基板修理は高度な技術を要する作業ですが、適切な診断と修復により、多くの場合でデータを失うことなく端末を復旧させることが可能です。諦める前に、まずは専門店での診断をお勧めします。
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最後に
iPhoneの起動不良や充電が出来ない、リンゴループになってしまった、
端末を水没してしまって電源が入らなくなってしまったなどお困りの場合は
当店にご相談下さい。
iPhone・iPadは急に電源がつかなくなってしまう場合が時としてあります
その場合でも端末内部の基板にはデータが残っていますのでデータはあきらめないでください。
当店にご相談頂ければデータ復旧可能です。その他スマホのデータ復旧も可能です。
端末内部には大切な写真データやお仕事で利用しているものなどもあると思います、
直ぐに対応してもらいたい場合も柔軟に対応可能です。
全国のiPhone修理店でiPhoneの基板修理が対応可能なわけではありません、
ほとんどは基板修理を受け付けを行ってから修理のできる会社や店舗に依頼しています。
当店ではそのような依頼も受けています。数少ない基板修理対応の店舗です。
直接ご依頼いただける場合は優先的に対応しております。お急ぎの場合はまずご相談ください。
修理店様からの代行修理依頼可能です。
基板修理以外のiPad代行修理や任天堂switch修理、androidスマホ修理も対応可能です。
[対応機種]
iPhone・iPad・androidスマホ・任天堂Switch
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