ストックリペア

Googlepixel5a 突然死からデータ救出|Pixel 5a 基板修理事例


はじめに – 突然起動しなくなったGoogle Pixel 5a

埼玉県熊谷市でスマートフォンの基板修理とデータ復旧を専門に行っておりますストックリペアです。今回は、Google Pixel 5aの突発的な起動不良について、修理技術者の視点から詳しく解説いたします。

「昨日まで問題なく使えていたスマホが、今朝突然起動しなくなってしまった」というご相談をいただきました。お客様にとって非常に大切なデータが端末内に保存されているとのことで、何としてもデータを救出したいというご要望でした。このような突然の起動不良は、基板レベルでの故障が疑われるケースです。

初期診断 – 異常な電流値から故障を推測

まず、充電器を接続した状態で電流計を使って電流の流れを確認します。これは基板修理の診断において非常に重要な工程です。正常なGoogle Pixel 5aであれば、起動時には一定以上の電流が流れるはずですが、今回のケースでは約100ミリアンペア程度の電流しか流れていませんでした。

この数値は明らかに異常です。正常に起動する端末であれば、起動プロセス中にはもっと大きな電流が流れるはずです。この時点で、基板上のどこかに重大な問題が発生していることが確実となりました。単純なバッテリー不良やディスプレイの問題ではなく、メイン基板そのものに故障があると判断できます。

分解と基板取り出し作業

診断結果を踏まえ、端末の分解作業に入ります。Google Pixel 5aは背面から分解していく構造になっており、内部には各種コネクタやフレックスケーブルが配置されているため、これらを傷つけないよう細心の注意を払いながら作業を進めます。

バッテリーを取り外し、各種コネクタを外していくと、メイン基板が見えてきます。基板を固定しているネジを外し、慎重に基板を取り出しました。取り出した基板を専用の作業台に固定し、まずは外観の確認を行います。顕微鏡下で基板表面を詳しく観察しましたが、明らかな焼損や腐食、部品の脱落などは確認できませんでした。

Googlepixel5a基板修理

直接給電テストで故障箇所を絞り込む

メイン基板を取り出したら、基板に直接電流を供給して起動テストを行います。これにより、ディスプレイやバッテリーなど他の部品の影響を排除し、基板自体の問題を明確にすることができます。

Googlepixel5a基板修理

電源を投入すると、電流計の針が動き始めました。しかし、約180ミリアンペアのところで針が止まってしまいます。何度試しても同じ結果です。この症状は非常に特徴的で、起動プロセスの途中で何らかの原因により起動が中断されている状態を示しています。

Googlepixel5a基板修理

電流値が途中で止まるということは、CPUが起動シーケンスを開始しようとしているものの、どこかで処理が止まってしまっていることを意味します。ここで長年の経験から、ある故障を疑い始めました。

サーモグラフィー検査と故障箇所の特定

次にサーモグラフィーカメラを使用して、基板上の発熱箇所を調べます。通常、短絡(ショート)が発生していたり、異常な電流が流れている箇所は発熱するため、サーモグラフィーで容易に発見できます。

しかし今回のケースでは、基板全体をスキャンしても、異常な発熱箇所は全く確認できませんでした。これは一見、手がかりがないように思えますが、実は経験豊富な技術者にとっては重要な情報です。発熱がないということは、短絡や過電流の問題ではないということ。つまり、電気的な接触不良が疑われるのです。

Google Pixel 5aでこのような症状が出る場合、最も可能性が高いのが「CPUはんだクラック」です。これは、CPUと基板を接続しているはんだ接合部に亀裂が入り、電気的な接続が不安定になる故障です。

CPUはんだクラックとは何か

CPUはんだクラックは、スマートフォンの基板修理において非常によく遭遇する故障の一つです。特にGoogle Pixelシリーズでは発生しやすい傾向があります。

この故障が発生する主な原因は以下の通りです:

1. 熱ストレス: スマートフォンは使用中に発熱し、冷却を繰り返します。この温度変化により、CPUと基板の間のはんだ接合部に繰り返しストレスがかかり、徐々に亀裂が入っていきます。

2. 物理的衝撃: 落下などの衝撃により、瞬間的に大きな力がかかることで、はんだ接合部が破損することがあります。

3. 経年劣化: 長期間の使用により、はんだ自体が劣化し、接合強度が低下します。

はんだクラックが発生すると、CPUと基板の間の電気的接続が不完全になります。その結果、起動プロセスの途中で必要な信号が伝わらなくなり、今回のように起動が止まってしまうのです。外観上は全く問題なく見えるため、診断には経験と専門知識が必要とされます。

Googlepixel5a基板修理

Googlepixel5a基板修理

CPU再実装(リボール)作業

故障原因がCPUはんだクラックと特定できたので、修理方法はCPUの再実装(リボール)となります。これは基板修理の中でも最も高度な技術を要する作業の一つです。

まず、専用の機器を使用してCPUを基板から取り外します。この際、周辺の小さな部品を傷つけないよう、温度管理と作業速度が重要になります。Google Pixel 5aのCPUは周辺に多数の小型部品が密集しているため、特に慎重な作業が求められます。

CPUを取り外したら、基板側とCPU側の両方から古いはんだを完全に除去します。残留したはんだがあると、新しいはんだが均一に付かず、再び接触不良を起こす原因となります。顕微鏡下で確認しながら、専用のツールで丁寧にクリーニングを行います。

Googlepixel5a基板修理

次に、CPUのパッド部分に新しいはんだボールを形成します。これをリボール作業と呼びます。はんだボールのサイズや配置は非常に精密で、専用の治具とはんだペーストを使用して、均一なはんだボールを形成していきます。

Googlepixel5a基板修理

リボール完了後、CPUを基板の正確な位置に配置します。位置決めには専用の顕微鏡とアライメント機器を使用します。わずかなずれも許されない精密作業です。

Googlepixel5a基板修理

最後に、リフロー炉で適切な温度プロファイルを使用してはんだを溶かし、CPUと基板を再接合します。温度が高すぎるとCPUや周辺部品が破損し、低すぎるとはんだが十分に溶けず接合不良となります。長年の経験から得た最適な温度カーブで慎重に作業を進めます。

Googlepixel5a基板修理

修理完了とデータ復旧成功

CPU再実装作業が完了したら、冷却を待って再び基板に電流を供給します。電流計を注視すると、今度は正常な起動プロセスの電流変化が確認できました。180ミリアンペアで止まっていた針が、さらに上昇し、正常な起動時の電流パターンを示しています。

基板を端末に戻し、ディスプレイとバッテリーを接続して電源を投入すると、見事にGoogle Pixelのロゴが表示され、正常に起動しました!お客様の大切なデータもすべてそのまま残っており、写真、連絡先、アプリのデータなど、すべて無事でした。

お客様からは「大切な仕事のデータと家族の写真が入っていたので、本当に助かりました」と大変喜んでいただけました。

Googlepixel5a基板修理

Googlepixel5a基板修理

Googlepixel5a基板修理

当店のスマホ基板修理・データ復旧サービス

ストックリペアでは、iPhoneだけでなくGoogle PixelやXperia、Galaxyなど、各種Androidスマートフォンの基板修理とデータ復旧も専門に行っております。

対応可能な症状:

  • 突然の起動不良、電源が入らない
  • 起動途中で止まる、ロゴループ
  • 充電できない、充電認識しない
  • 水没後の起動不良
  • タッチ不良、画面表示異常
  • その他基板レベルの故障全般

郵送修理も全国対応:
埼玉県外のお客様でも、郵送での修理依頼が可能です。梱包方法や発送手順についても丁寧にご案内いたしますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。

修理店様からの代行修理も歓迎:
一般の修理店様では対応が難しい基板レベルの修理も承っております。技術提携や代行修理のご相談もお気軽にどうぞ。

個人のお客様も大歓迎:
「スマホが起動しなくなった」「大切なデータを取り出したい」そんなお悩みをお持ちの方、まずはお電話やLINEでお気軽にご相談ください。症状をお聞かせいただければ、修理の可能性や料金の目安をお伝えいたします。

まとめ – データを諦める前にご相談を

今回のGoogle Pixel 5aのケースのように、突然起動しなくなったスマートフォンでも、適切な診断と修理技術があれば、データを救出できる可能性は十分にあります。CPUはんだクラックは一見すると深刻な故障に思えますが、専門的な技術と設備があれば修理可能です。

「もうデータは諦めるしかない」と思っている方、その前に一度ストックリペアにご相談ください。私たちの技術と経験で、お客様の大切なデータと思い出を守るお手伝いをいたします。


ストックリペア – スマホ基板修理・データ復旧専門店
埼玉県熊谷市 | 郵送修理全国対応 | iPhone・Android各種対応
お電話・LINEでのお問い合わせ歓迎

ラインで簡単問い合わせ!

iPhoneの起動不良や充電が出来ない、リンゴループになってしまった、
端末を水没してしまって電源が入らなくなってしまったなどお困りの場合は
当店にご相談下さい。
iPhone・iPadは急に電源がつかなくなってしまう場合が時としてあります
その場合でも端末内部の基板にはデータが残っていますのでデータはあきらめないでください。
当店にご相談頂ければデータ復旧可能です。
端末内部には大切な写真データやお仕事で利用しているものなどもあると思います、
直ぐに対応してもらいたい場合も柔軟に対応可能です。
全国のiPhone修理店でiPhoneの基板修理が対応可能なわけではありません、
ほとんどは基板修理を受け付けを行ってから修理のできる会社や店舗に依頼しています。
当店ではそのような依頼も受けています。数少ない基板修理対応の店舗です。
直接ご依頼いただける場合は優先的に対応しております。お急ぎの場合はまずご相談ください。

修理店様からの代行修理依頼可能です。
基板修理以外のiPad代行修理や任天堂switch修理、androidスマホ修理も対応可能です。

[対応機種]
iPhone・iPad・androidスマホ・任天堂Switch

[StockRepair熊谷]  ⇨ HP
〒360-0813 埼玉県熊谷市円光1丁目3-4
営業時間 : 10時〜19時
定休日:日曜・祝日
℡048-580-5039

コメントする

オンラインショップ

Online store

iPhone・iPadの修理を行う際に便利なツールなど販売、修理技術などを発信します。

ストックリペア
〒360-0813 埼玉県熊谷市円光1丁目3-4

Contact

修理のご相談、お気軽にご連絡下さい。